個別指導塾 明海学院 一宮南部丹陽校 塾長ブログ
2020年2月23日
イエロー、ホワイト、ブルー【丹陽、南部、大和、大和南、治郎丸中学区の個別指導塾 明海学院 一宮南部丹陽校】
こんばんは、一宮南部丹陽校の安田です。
本屋大賞2019、ノンフィクション本大賞受賞など反響の大きかった「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」。
少し前、友人から熱心にお勧めされた本です。なんやかんやで時間が取れず先延ばしになっていた本ですが、読み始めてからは面白くて一気に読み切りました。これはやべーです、一気読み不可避です。笑
優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。
サブタイトルが「The Real British Secondary School Days」
名門と言われるカトリックの小学校から、「元」底辺中学校と呼ばれる公立の中学校に進学した「ぼく」の物語です。
日本人のお母さんを持つ「イエロー」なぼく。
アイルランド人のお父さんを持つ「ホワイト」なぼく。
そして、ちょっと「ブルー」なぼく。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」という、ノートの端にこじんまりと書かれた落書き。
ブルーという単語がどんな感情を意味するか、ご存じの通り「悲しみ」や「気持ちがふさぎ込んでいる」という意味合いです。はたしてブルーの正しい意味合いを知っていて、「ぼく」はこの落書きを書いたのだろうか。
アイデンティティに悩む中学生の悩みを、イギリスの世相と照らし合わせながらパンクな母ちゃんが綴ったエッセイです。英国賛美な本でもなんでもなく、教育方針や政治体制を批判するでもなく、レイシズム(人種主義)が見え隠れする社会に常に問いを投げかけながら進んでいく日常を、親子の会話から読みほどき考えていきます。
日本の教育中学生や高校生のような思春期ボーイズ&ガールズにこそ読んでほしい、間違いなくお勧めできる本です。
誰かの靴を履いてみること
個人的にグサリときたのが、【エンパシーとはなにか】の章です。
市民教育「シティズンシップ・エデュケーション」の試験として出題された問題の「エンパシーとはなにか」。
エンパシーと似た言葉に「シンパシー(sympathy)」があります。
1.誰かをかわいそうだと思う感情、誰かの問題を理解して気にかけていることを示すこと
2.ある考え、理念、組織などへの指示や同意を示す行為
3.同じような意見や関心を持っている人々の間の友情や理解
対して「エンパシー(empathy)」とは
1.他人の感情や経験などを理解する能力
2.自分がその人の立場だったらどうだろうと想像することによって誰かの感情や経験を分かち合う能力
文中の言葉を借りますが、
sympathyは「感情や行為や理解」として普通に同情したり共感したりすることで、empathyはまさにその「能力」のことを示すのだという。
私たちは、常に子供の立場に立って仕事をすることが求められます。(少なくとも私はそう考えています。)
同情とは違いますが、生徒の抱えている問題を理解して、気にかけて、シンパシーをもって接することが必要だと思っています。
シンパシーは相手の境遇や自分と似たような意見に対して自然に出てくる感情のこと。
ある意味努力をしなくとも自然に出てくるものです。ならばエンパシーは?
自分と違う理念や新年を持つ人や、別にかわいそうだとは思えない立場の人が何を考えているだろうかと想像する力のことなんですね。
ふと思うのは、「果たして自分に本当にエンパシーなるスキルが備わっているのか?」ということ。
一人の人間として、社会に溶け込める程度の最低限レベルで、協調性や社会性は備わっている(と信じたい)が、本当の意味でのエンパシーははたしてどうなのだろうか?
「キミたち(生徒)のことを考えているよ」と言いながら、彼らの靴を履いてみることを考えただろうか?気づかないうちに大人の理屈で、型にはめた対応をしていなかっただろうか?
誰かの靴を履いてみること
教室の中という限られた機会で、常に全員の靴を履いて考えることを止めないようにしていきたいと強く思いました。
多様性がなければ無知になる
「どうして多様性があるとややこしくなるの」
「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃない方が楽よ」
「楽じゃないものが、どうしていいの?」
「楽ばっかりしてると、無知になるから」
なかなかヘヴィに響きませんか?じわじわとボディブローのように効いてくるというか。
周りの変化が乏しくなってくるのは間違いなく大人の方、子供の世界は目まぐるしく変わっていきます。
そんな世界だからこそ、子供たちは日々成長していくんだろうなと。たまに子供の方が核心を突くことを言ったりもしますしね。
これからの世界は否が応でも多様性を肯定しながら生きていかなければならないんだろうなと思います。
本文の言葉を借りるならば、「未来は彼らの手の中にある。」
多様性の世界の「ややこしい」衝突や喧嘩を乗り越えて、今の子供たちはきっとたくましく成長していくんでしょうね。
子供たちにもおすすめですが、できればお父さんお母さんにも読んでいただきたいです。
ぜひ同じ本を読んで、親子でどう思ったのか話し合う時間が持てたら素敵だなと思います。
いろんな本屋さんで、まだまだ目立つ場所に配置されていると思いますので、よかったらぜひ。
激しくおススメしてきた友人同様、私も激しく皆さんにおススメします。笑
どこかで見たと思ったら
ちなみにこの本の著者、ブレイディみかこさん。名前だけはどこかで見た覚えがあったんです。
どこだったかなと考えていて思い出しました、この本の表紙にでかでかとお名前が載ってたので記憶に残っていたようです。
ちなみにこの本もやべーです、同じくらい一気読み不可避な本なので読むタイミングには十分気を付けてくださいね。笑
それでは、今日はこのへんで。
また次回、最後までご覧いただきありがとうございました。
読んでよかった本トップに食い込む2冊、大事に本棚に入れておこう。
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カテゴリー: 本
塾長プロフィール
■塾長/安田
愛知県稲沢市出身。
明海一熱い指導で通っている、愛知県一宮市にある「明海学院 一宮南部丹陽校」の塾長。塾頭の杉原とは野球仲間で、シーズン中は毎週試合に参加するなど仕事もプライベートも全力投球。生徒にも「勉強も部活も遊びも全部楽しもうぜ!」と、何事もやりきることや達成感の素晴らしさを伝えている。
趣味/野球、ドライブ、スノーボード、読書
大の読書好きで年間100冊を目標に本を読む。好きなジャンルはミステリー・推理・サスペンスなど。近頃は海外小説・古典小説がお気に入り。
■副塾長 / 照井
愛知県犬山市出身。
高校生時代から教育に興味をもち、大学では教育学を専攻し、小学校・中学校・高等学校の教員免許を取得。
学校での集団指導と個別指導の両方経験から、子どもたち一人ひとりに寄り添った教育がしたいと考え、個別指導に従事することを決意。
子どもたちが通塾することに負担を感じることなく、「明海でなら勉強を頑張りたい」と思えるような、あたたかみがありアットホームな教室を運営していきたいという思いで日々向き合っている。
趣味/音楽鑑賞(邦ロックは幅広く聴いているので、好きなバンドや音楽の話が得意です)
そのほか、ゲームやアニメ、映画鑑賞など趣味は多種多様にあるので、様々な話題を通じて子どもたちと親交を深めていきます。
特技/けん玉